第16章 嫌がらせ
「水瀬……お前がなんで謝るんだよっ…」
「…心配かけてしまったみたいなので……」
「……みたいじゃなくて…心配してんだよ…」
「……今に始まったことではないので……」
「……どういうことだ……?」
「……今日みたいなこと…中学の時から続いてたので今更正直驚いてはいないんです…だから…気にしな…」
「……何言ってんだ……なんで…そんな…っ…」
「………慣れた…からじゃないですかね…」
私の中で嫌がらせを受けるたびに最初は無視したり呼び出されても行かなかったりしたけど、嫌がらせはひどくなる一方で次第に少しの時間我慢すればすぐに終わると思い考え方も自分のことなのに人ごとのように考えるようになった。
「……何が…慣れただ……俺には辛いのに無理してるようにしか見えねえよ。
……水瀬……自分で大丈夫って言ってずっと言い聞かせてるだけじゃねえのか?ずっと無理して……つらかったんじゃねえのか。」
「…………」
私は、それ以上話す気にはなれなかった…
話すと…迷惑をかけてしまう、練習がハードなのに他の事で時間を削りたくはなかった。