第16章 嫌がらせ
教室に入り席に着くと涼太が急ぐように教室に入ってきた。
「聖知っち!ひどいっすよ!置いていくなんて!」
「だって涼太、ファンに囲まれてすぐ動ける様子じゃなかったでしょ?」
「だからって…置いていくなんてひどいっすよー!」
涼太は私の席まで来るとブツブツ小さい子供のように文句を言っている。
涼太は気づいていないけどさっきからすごく視線が痛い。
さっきの涼太のファンの子たちは不幸にもおんなじクラスでだった。
教室では何かしてくることはないけど近いうちに呼び出されるんだろうなと思いながら視線に堪えていた。
ーー授業中ーー
「………?」
数学の授業中に紙が回ってきて中身を開くと、
【昼休み 第2体育館まで来い。来なければ潰す】
…言いたいことあるなら面と向かって言えばいいのに…
回ってきた紙をくしゃくしゃにして授業に集中していると面白くないのかどこからか紙を当ててくる。
涼太は授業中居眠りをして気づくことはない。
涼太が寝ていることをいいことに授業中だろうがやりたい放題ってわけね…
ため息をつきながら昼休みになるのが憂鬱で邪魔されながらも授業に集中して聞いていた。