第15章 朝練
ーー笠松視点ーー
「…私が何を決めるんですか?」
その声が聞こえた瞬間心臓が飛び出るほど驚き慌てて気にするなとだけ伝えたが……まさか…聞こえてた…のか…?
そこから、気持ちがバレてしまっていないかわからずしばらく水瀬の様子を見ていたが何時もの普通の様子だった。
俺は… 水瀬が好き…だが…
今は何より力になりたいと考えている。
黄瀬が言ってた好きな気持ちは誰にも負けねえが…それよりも…
元気に笑って…くれた…ほうが…いい…///
そう考えていると、部室から出た瞬間黄瀬のファンの女が待機していてあっという間に黄瀬に群がった。
俺に本気で水瀬が好きって喧嘩売ったくせに…
どの女にも愛想振りまきやがって…
放課後あとでシバく!!
そう思っていると俺たちとは違う方向水瀬は離れた場所にいる黄瀬のファンの方を見て一瞬悲しげなため息をつくと向き直り「また、放課後に」と去っていった。
なんだ…黄瀬のファン…か?
水瀬が見ていた離れた場所にいる黄瀬のファンは終始水瀬の方を見て睨んでいる様子に少なくとも俺にはそう見えた。
「悪い、忘れ物したから、先に行ってろ。」
そのまま教室に行こうと思ったが水瀬のあの表情が忘れられず俺は小堀や森山にそういうと水瀬の後を追いかけた。
「…?笠松先輩?どうかしました?」
「…いや…なんとなく…なんか嫌な感じっていうか…よくわかんねえけど…大丈夫か?」
俺は呼び止めたものの確証も何もなく、なんて言ったらいいか分からず水瀬の様子が心配になり様子を見ていた。
「何もないので大丈夫です。」
水瀬はそういうと軽く手を振りいつもの笑顔で去っていった。
俺の思い過ごしだといいが…