第2章 笠松幸男
笠松視点
痴漢をしてた男を駅員に引き渡したが…その間横にいる彼女は今にも泣きそうな顔をしていた。
森山がこの場にいなくて良かった…
⁉︎
駅員室からでたらとうとう泣きだした…
まぁ…当たり前だよな…
こ…こういう時…どうしたらいいんだ?
「な…泣くなよ…」
俺には女の子の扱い方がわからずハンカチを渡すので精一杯だった。
「すいませんでしたっ…」
お…落ち着いたみてえだよな…
次は…何したらいいんだ?
「あの…お礼させてください」
お…お礼…⁉︎
「人助けにお礼は必要ねえよ」
反射的に言っちまった…
見るからに凹んやがる…な…名前くらい聞いてもいいよな…?
「水瀬聖知です。」
聖知か…///
しかも、俺のこと知っていた。
バスケ部のマネージャーで嬉しそうな表情で笑いかけてきた…
可愛い…///
俺は聞くつもりがなかったのに連絡先まで聞いてしまった…
俺何考えてんだ…‼︎
これじゃあただのナンパじゃねえか…
俺は顔が熱くなるのを感じてそっぽを向くと彼女は連絡先を教えてくれた。
い…いいのか⁉︎
思わず彼女の手が触れて不覚にもビクついてしまった。
っ…な…情けねぇっ…///
俺も連絡先を教えて時間が遅いためその場で別れた。
水瀬聖知か…
俺は未だ高鳴る鼓動を押さえつつ連絡先をスマホケースに大事にしまった。