第60章 葛藤
—笠松side—
「風呂………一緒に入るか…?」
さっきのキスの余韻かわからねえが…
もっと聖知に触れたい
気づいたら口にしていた
ぜってえ拒否される
もしくは変態扱い…されるか…
そう思ってたが… 聖知の表情はみるみる真っ赤になるだけで拒否するようなことは何も言わなかった。
これは……肯定で…いいって事か…?
勢いで言っちまったが…この状況どうする…
聖知の答えを聞かないまま…そのまま手を繋ぎ歩いていくと未だに赤くなった表情で聖知は言葉を続けた。
「その…私一旦…自分のマンションに戻りたくて…」
「…そういや着替えとか…取りに行くって言ってたな…先寄るか?」
「いや…その…幸男さんは…先にお風呂入ったほうが…泥とか気持ち悪いかと思いますし…」
「……………」
聖知の口から遠回しに「嫌だ」と言われてる様で…繋いでる手に自然と力が篭る。
そりゃ俺は今でも聖知の…胸とか…ッ…身体を想像するだけで鼻血が吹き出すくらい免疫がねえ…
でも…俺なりに今よりももっと聖知と親密になりたい
そう思った
聖知がどれくらい嫌なのかわかんねえまま…ストレートに聞くと今よりも林檎みたいに赤くした顔で聖知は恥ずかしいと口にした。