第60章 葛藤
「んんッ…ふッ…」
幸男さんに再びキスされると深い口付けに苦しくなり離れようとしてもビクともせず声が漏れるとゆっくり唇を離してくれた。
「ッ…はッ…んんッ…!ふぅッ…」
それも一瞬の事で直ぐにまた深く口付けられ口内に幸男さんの舌が侵入してきた。舌を絡ませる激しいキスにされるがままで長いキスに頭が働かなくなり幸男さんの服にしがみつくとゆっくり唇を離してくれた。
「ッ……」
「……そういう顔されるとホント我慢できねえ…」
息も絶え絶えで幸男さんに項垂れるようにしがみつくとそのままギュッと抱きしめてくれた。
幸男さんの言ってることがわかないでいるとゆっくり私の髪を撫で、いきなりのキスに胸が高鳴って心臓がドキドキとうるさい私をよそに幸男さんはそっと私を離し、ベンチから立ち上がり私の手を引っ張る。
「そろそろ家帰るぞ…まずは着替えねえといけねえし…」
「へ…?そ…そうですね…お風呂とかも入らないと…」
「…………」
「幸男さん…?」
幸男さんも私も衣服が汚れている。
色んな事が起き過ぎて今更ながら服装の汚れについてお互い自覚した。特に幸男さんは泥が服に付着していて早くお風呂に入った方がいいと薦めた。
途端に幸男さんは真っ赤になり顔を逸らされる。表情を窺っていると幸男さんの口から信じられない事を言い出し、一瞬頭が真っ白になった。
「風呂………一緒に入るか…?」