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【黒バス】何度でも貴方に恋をする R18

第59章 夏の陽だまりに咲く初恋




大丈夫


大丈夫


この家に私の味方はいない
一回殴られただけ


もうすぐ散歩の時間なのに…
こんな…こんな顔してたら…
大我君と辰也君に心配かけてしまう



部屋へ戻ると何度も自分に言い聞かせ、すぐにクローゼットの中へと入った。
クローゼットの中はひんやりしていて落ち着く。
奥の方まで行くと力無く座り込んだ。


お祖母様から叱責と罵倒を浴びせられ、すぐに我慢していた涙がポロポロと溢れ出た。

今日は折檻されてないからマシなはずなのに…
お祖母様からの冷たい氷のような言葉は胸に突き刺さったように苦しかった。


休憩時間が終わるまで声を押し殺して泣いた。



でも…今のこの時間が辛くても大丈夫。
大我君や辰也君と遊ぶ時間は私にとっては自由のひと時…閉鎖的なこの家から抜けられる唯一の時間…


例え30分の短い時間であっても心から安らげる居場所だった。
涙を拭い小さく何度も深呼吸をして、クローゼットから出ると辰也君からもらった花を見る。


向日葵のいい匂いが気持ちを落ち着かせてくれ、再び「頑張ろう」という気持ちにさせてくれる。勉強の時間が迫ってきて、ゆっくり深呼吸すると自分の部屋を出た。


この勉強の時間が終われば散歩の時間
急ぎ足で部屋を出ていつもの勉強部屋へと向かった。





まさか…この希望ともいえる時間がなくなるなんて…
この時は知る由もなかった。


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