第59章 夏の陽だまりに咲く初恋
7年前
––聖知side—
勉強の合間のわずかな30分の自由時間
いつものように景色をしばらく眺めて帰ろうと思った矢先それは突然起きた。
誰かの「危ない!」という声がしたのと同時に顔面に何かがぶつかり、桐生の声がするのと同時に私の意識もそこで途切れてしまった。
「……ん…」
「Hey, looks like she woke up!」
(あっ…!目が覚めたみたいだぞ!)」
「おい、お前大丈夫か?」
「大我、もう少し声のボリュームを下げて…びっくりしちゃうだろ…?」
目が覚めると何故かベンチで眠っていて知らない男の子に囲まれていた。
だれ……この男の子たちは……
私…なんで…寝て…
たしか…散歩してて…何かが顔に……
ぼんやりする頭で周りを見渡すと呆れたような表情をしている桐生がいた。咄嗟に頭をよぎったのは何故寝ているのではなく、現在の時刻。
「ッ…!
嘘…いッ…今何時…私…どれくらいッ…」
焦って言葉がうまく回らない
もし30分過ぎてたら……
怒られる
殴られる
閉じ込められる
冷汗が吹きだしガタガタ震えていると1人の男の子が優しく側で屈んで時間を教えてくれた。
それが氷室くんだった。