• テキストサイズ

【黒バス】何度でも貴方に恋をする R18

第58章 初恋の再会




「ずいぶん好戦的だな…どう考えようが自由だが…今の聖知はひどく傷ついている。聖知の意思を無視するような言動だけは控えてくれ」


「……当たり前です、笠松さんこそ…聖知ちゃんが俺に恋に落ちても見苦しい嫉妬はやめて下さいね」


「安心しろよ……聖知はそんな軽い女じゃねえ」



笠松と氷室は聖知が目覚めるまでお互いに牽制し合っていた。

お互いに火花を散らし、一歩も譲らず睨み合いが続く中、救護室の女医が外に出て連れ添っていた2人を見ると声を掛ける。


「あ、お二方、水瀬さんが目を覚まされました。よろしければお部屋にどうぞ」


「「ッ…!!」」


女医の言葉を聞くと2人は一斉に救護室の扉目掛けて走り出し同時にドアノブを握る。お互いに引く様子もなく睨み合いが続き、自分が1番最初に入ろうと争いが続いていた。



「おい…聖知は俺の″恋人″だ。だから俺が先に入る」

「聖知ちゃんをここまで連れてきたのは俺です。俺には聖知ちゃんの無事を1番に確かめる権利がある」

「だから、それは彼氏の俺の役目だ。″友達″は後にしろよ」

「いずれ逆の立場になります、笠松さんこそ引っ込んでいて下さい」

どちらもドアノブから手を離さず、我先にと部屋に入ろうとして譲ろうとしなく扉を少し開けては閉めたりを繰り返し扉の閉まる音がガンガンと鳴り響く。




「…え…な…に?」

横になっていた聖知も扉の音にびっくりして慌てて起き、様子を見に行こうかと躊躇したが女医の鶴の一声によってドアの開閉が無くなり静かになった。


「いい加減にしてください‼︎」

先程まで穏やかで優しかった女医の怒鳴り声が外で響き、笠松と氷室の動きが制止する。2人がお互いの面子を張り合う姿に腕を組み怒った表情を浮かべ「こちらでお待ちください」と女医だけ救護室へと戻った。

/ 872ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp