第58章 初恋の再会
––聖知side—
頭が重い……
私…本当に何やってんだろう
どれだけの人を巻き込んだかわからない
私のせいで…
花宮がいなくなり…薄れゆく意識の中で幸男さんと氷室くんという男の子が駆け寄ってきてくれたのを最後に意識がなくなった。
「ッ……ん…」
「あ…目が覚めましたか?」
「…………あの、ここは…」
「そのままでいいですよ、ここは救護室です。どこか気分が悪いところはないですか?」
目を開くと見慣れない部屋
白衣を着た優しそうな女の人が私の顔を覗き込む。なぜかベッドで眠っていて起きあがろうとする私を静止してニコッと微笑みかける。
意識を失ってから何も覚えていない。
幸男さんや氷室くんはどこにいるんだろう。
もしかして…怪我してるんじゃッ…
2人が居ないことに不安になり、表情を曇らせていると女医さんは私の気持ちを汲むように優しく寄り添うように言葉をかけてくれた。
「もう大丈夫ですね。付き添いの男の子お2人は外で待機してますから…今呼んできますね。」
「あ…もう大丈夫なので、自分で…」
「急に倒れたと聞いていますから…少し安静にした方がいいかと思います。呼んできますから待っていて下さいね?」
2人が近くにいることに安心し、再び起き上がりベッドから出ようとすると女医さんに止められる。
女医さんの言う通り、起き上がるとまだ頭が重く視界が少し揺らぐ。素直に女医さんの言葉に頷き、再びベッドに戻されると横になったまま2人を待つことにした。