第58章 初恋の再会
「チッ…ウゼエ…相変わらず…
往生際が悪りい女だな…!」
「っ…痛っ……っ…」
髪を引っ張られながら必死に抵抗を続ける私にイラついたのか…公園内の人気のない場所まで連れられると、壁に思いっきり突き飛ばされ座り込んでしまう。
レンガ調の建物で苔や雑草など生えているところから見ると、あまり管理されていない場所…人の寄り付かない場所に危機感を感じた。
「ハッ…結局、笠松さえいなけりゃ…お前なんか壊すのは簡単なんだよ…」
「……まさ…か……笠松先輩にっ…何かしたの⁉︎」
幸男さんが逃げろと言ったこと…
花宮が現れたタイミング…
幸男さんに連絡が取れなくなった原因に花宮が関わっている。
直感でそう感じた。
連絡が取れない状態で花宮が現れた事に違和感を感じ、相手を睨みながら真意を聞こうと顔を上げる。
花宮が同じ姿勢で座り込んだと思ったのも束の間、片手で顎をグイっと強く掴まれる。
「オイ、何度言ったらわかるんだよ…玩具がいい気になってんじゃねえよ…やっぱ身体に直接わからせるしかねえみたいだな…」
「っ……」
花宮は至近距離まで顔を近づけると、獲物を狩る獣のような視線で冷たく私を睨み、捉えている。
冷酷とも言える表情に恐怖が頭を支配して、何も声を発することができず…頭よりも身体が先に動いていた。
逃げようとした私の行動を見透かすように再び髪を掴まれ、壁へと強い力で後ろ手で拘束され押さえ付けられる。