第13章 ライバル
ーー笠松視点ーー
「笠松先輩、ありがとうございます。
正直にいうと…少し落ち込んでましたけど…元気が出ました。
じゃあ、1人で歩くのはまだちょっと控えたいので今度部活が休みの日に付き合ってもらえませんか?」
俺がうまく伝えることができず焦って言うと水瀬はいつもの笑顔で俺に笑いかけた。
まさか水瀬の方から休日に誘ってくるとは思わずしばらく思考が停止して顔に熱が集まる。
Σッ……ま…まじかッ…
これってッ…いい…のか…?
「あ……だ…ダメなら…大丈夫…」
水瀬は俺が黙っているのを見てダメだと思ったのか少し寂しげな表情で苦笑いを浮かべているのを見て俺は咄嗟に言葉を遮りまともに水瀬の顔を見れず来週の日曜日に出かける約束をした。
俺が約束すると水瀬は嬉しそうに「約束です。」と嬉しそうに笑うのを見てまた、顔に熱が集まるのを感じてこれ以上止まるとカッコ悪い姿を見せちまうと思い背をむけ帰っていった。
俺…相当…やべえ…
近くにいると思うと…心臓の鼓動がうるさいくらいドキドキするッ…
こんなにッ……だからこそッ…守ってやりてぇ…
必ずッ…
俺はバクバクする心臓を静まらせるように髪をクシャッと掻き上げて帰路についた。