第58章 初恋の再会
––笠松side—
「…っ…くっ…っ…」
身体が痛え…
頭も痛えし…
身体が重い…動けねえ…
クラクラする頭に耐えながら、ゆっくり目を開くと見覚えのない古びた木材などが立てかけられている。どこかの納屋のような場所にフラフラする頭で身じろぐと誰かの話し声が耳に入る。
「うわ…花宮の言う通り、ホントに目を覚ましたぞ」
「ホント…ウケるんだけど…先輩…まるで○カチュウみたいに電気でも溜めれるわけ?」
「っ…お前らっ!…くっ…今すぐこれを解けっ!」
やっと目が慣れてきたわかった。
俺の腕と足は、縄で動けないように拘束され、芋虫のように転がされている。何重にも縄で固定され男の俺の力でも簡単には外せない。
「さっきまで寝てたのに元気じゃん!花宮が絶対ここから出すなってさ…本当は俺だってこんな役回り嫌なんだけど…」
「おいっ…聖知は無事なんだろうなっ…手ぇ出したら絶対許さねえ!!」
転がってる俺を他所にスマホを取り出し『目を覚ましたよん』っとどこかに連絡している。
おそらく花宮だ
もう1人は眠たそうに欠伸をしなら退屈そうにスマホでゲームをしている。
2人の様子を見てわかった。
コイツらにとって、これは『ゲーム』だ。
退屈をまぎわらすための遊びだ。
また、聖知が傷つくような事になることだけはぜってぇさせねえ…
だが…聖知が無事かもわかんねえ状況で、どれくらい気を失ってたかもわからない。
一刻も早くここから出て助けに行かねえと聖知が危ねえっ…