第58章 初恋の再会
「ごめん…今日ね、海常の先輩と来てて…今すぐ一緒に行くのは…」
「ふ〜ん…じゃあ、後ででいいからこっち来てね〜きっとせっちんもびっくりすると思うし」
「……?
私に会いたいって人って…」
「来ればわかるし、じゃーね〜」
会いたい人…?
会いたいって事は私と面識があるって事だと思うけど…
もしかして…さつきちゃん…?
でも、さつきちゃんなら直接連絡来ると思うし…
むっくんの言っていた「会いたい人」というのが誰かわからず考えてもわからなかった。
後で幸男さんと一緒に行けばわかる事だろうと思い、再びベンチに座ってスマホを見ると幸男さんが電話をかけに行ってから30分くらい経過していた。
「幸男さん…まだ電話中なのかな…」
未だ戻ってこない幸男さんを心配してコンビニの方を振り向くが誰もいない。周辺は人がまばらになっていて、ほとんどの人はストバスの大会を見に行っているのか奥の方に人だかりができている。
一旦、幸男さんに電話を掛けて見ることにした。
通話中なら、きっと重要な話をしてると思い、このまま待ってようと軽く考えていた。
この時…まさか幸男さんが危険な状態という事も知らず…
電話をかけた側で花宮が近づいていることも気づいていなかった。