第58章 初恋の再会
––花宮side—
俺は苛立っていた
あの女と2年ぶりに再会したあの日…
玩具としてボロボロになるまで遊んで壊してやる
そう軽く考えていた
笠松が現れるまでは
公園の時でも…
街で取り逃した時も…
ショッピングモールで邪魔した時も…
いつも…いつも…いつもっ!!
うぜってぇくらい…ことごとく失敗した
だから…俺は笠松を排除する計画を立てた。
本来なら…あいつの前であの女を壊したかったがそれは諦めてやる
笠松がいなくなればあの女を壊すのは赤子の手を捻るより簡単だ
今日この公園でストバスのイベントをやる
間違いなくあいつらはここに来る…
必ずぶち壊してやるよ
イベントのチラシを丸めて捨て、朝から家を出るともう1つの苛つきの原因が家の前で待っていた。
「あ、やっと出てきたぞ」
「花宮遅いじゃん、おかげで待ちくたびれたんだけど…」
「おい、暇人共…何人の家で待ち伏せしてんだよ。そんな暇あんなら休日返上でラフプレーの練習でもしてろ。」
そうだ……
もう一つの失敗の要因…こいつらだ
俺の足を引っ張りやがって…
コイツらを見ていると前回の笠松の言葉を思い出し、最高潮にイラつき原たちをギロっと睨みつける。
『やれよッ……やりたきゃやれ……だが……聖知には手を出すな…』
心底、腑が煮え繰り返るような不快な気分になり唇を噛み締める
もうこいつらには頼らねえ…
前回も真っ先にリタイアして役立たずのゴミ同然だ
自宅前にいたコイツらを無視して、俺は公園に行くため足を進める