第58章 初恋の再会
「じゃあ、聖知ちゃん…
私、出かけちゃうけどゆっくりして行ってね♡」
「るみさん、本当にお世話になりっぱなしで…」
「水くさい事ばっか言わないのっ!
私がやりたくてしてるんだから♡」
お茶タイムが終わると、るみさんと幸也くん幸大君たちは今から泊まりで親戚の家に行くようで私と幸男さんは外まで3人を見送った。
見えなくなるまで手を振り幸男さんと家の中へ戻るとある事を思い出した。
「あ…連絡するの忘れてました…
電話してきますね。」
桐生に屋敷に行く連絡ができず、結局ギリギリになってしまった。
この流れでいつもなら、皮肉めいた事をツラツラと言われる、そう思っていた。
けど…昨晩…桐生の本心を聞いて私に謝る桐生を思い出すと…急に潮らしくなったり、いまさら態度が変わったりするんだろうか…
そう感じながらスマホを手に取り電話を掛けた。
❇︎ ❇︎ ❇︎
「…はい。如月でございます。」
「……私…聖知だけど…」
いつもと同じ声…同じトーン…
前に電話した時は嫌いで…関わりたくないそう思っていた。
でも、彼にも私と同じような過去があり…つらい経験をしてきた。如月家にいつか復讐するため、私に冷たく接してきたと謝罪もきちんとしてくれた。
話を聞いた時は何も考えられなくて…
何も言わなかった。
でも…私も過去に縛られず前を向くために、桐生との関係に向き合わないといけない。
改めて気持ちを入れ直し、言葉を続けた。