第58章 初恋の再会
「…引いてなんかいません。
言いたいことあるなら話してほしい…
我慢とか…そういうのしないでください…
前にそう話しましたよね…」
「……聖知…」
「それに…その…嫌じゃありませんっ…
幸男さんが…好きだから…
好きな人がこんなに求めてくれて私は嬉しいです。」
すぐに唇を離し、幸男さんも私も顔を赤らめ、お互いにゆっくりと手を絡ませ手を繋ぐ。少しづつゆっくり言葉にすると再び幸男さんに抱きしめられ耳元で囁かれる。
『後悔すんなよ』
その言葉と同時に幸男さんの部屋に備えつけられてるクローゼットの折れ戸を幸男さんが引くと一緒に中へと連れ込まれる。
「えっ…幸男さん…っ…」
「ここならバレねえ…でも声出したらバレるかもな…」
「なっ…んんっ…!」
引き戸を閉めるとほとんど真っ暗で、部屋の微かな明かりが隙間から差し込むのみで抱き寄せられるとさっきよりも深く口づけられる。
幸男さんの制服やコートなどの私服が保管されていて、微かな幸男さんの匂いがするのと同時に、深い口づけから口内を割り込むように侵入する熱い舌が絡みそれ以上考えるのをやめた。