第58章 初恋の再会
「まったく…不器用なんだから…
じゃあ、聖知ちゃん…
私も準備があるから、2人で待っててね♡」
「えっ…!
あの……」
そう言うとるみさんは、幸大君と幸也君を連れて寝室へと戻ってしまい、私の声は届かぬうちに扉は閉まり、幸男さんと2人っきりになった。
2人になっても…
幸男さん…何も言わない…
やっぱり…あんまり似合ってないのかな…
「あの…幸男さん…?」
「………ちょっと待ってろ。」
沈黙状態な雰囲気に居た堪れなくなり、私の方から話しかけると、幸男さんはいきなり寝室の部屋へと向かい、いきなり扉を開けた。
「っ…あら…バレちゃった?」
「…そう何度も引っかかるわけねえだろ…」
扉を開けるとすぐに傾れるようにるみさんが出てくる。幸男さんはため息をつくと再び寝室の扉をしっかりと閉め『2階に行くぞ』と手を引かれる。
「あの、どうして部屋に…っ…」
幸男さんの部屋に入り、扉を閉めると急にギュっときつく抱きしめられる。自然と顔が熱くなり密着しているせいか幸男さんの匂いで包まれるように幸せを感じながら顔をゆっくりあげると顔が赤い幸男さんと目が合った。