第58章 初恋の再会
笠松side
寝室から出てきた聖知を見た瞬間…
時が止まったのを感じた
淡い黄色のワンピースに大きめのリボンがよく似合う
長い髪はサイドに三つ編みで下ろし…
いつもの雰囲気とは全然違う
俺は完全に見惚れていて頭からつま先まで聖知を何度も往復するように見つめて気がつかなかった。
聖知が数センチまで俺に近づいていることに
「っ…!
なっ…っ…」
ちっ…近けぇっ…!
めちゃくちゃ可愛いすぎだろっ…
変な唸り声出しちまったし…
今日まともに見れねえ…
つーか…誰にも見せたくねぇ…
照れた顔を隠しつつびっくりして思わず距離を取り、たまにチラッと聖知を見ると脳内で妄想が止まらなくなった俺を制したのは母さんだった。
「ちょっと…何なのよ…その反応は…
聖知ちゃんに失礼でしょ!」
「ち…ちげーよ…つ…つい…」
「可愛すぎてびっくりしちゃった?」
「っ…!
う…うっせえよ…」
脇腹で腹を母さんに突かれ、俺にしか聞こえない声で諌められる。母さんの言葉に再び顔が熱くなるのを感じ、気の利いた事も言えず顔を逸らすことしかできなかった。