第13章 ライバル
「……ッ水瀬…。」
「…笠松先輩?…どうかしました?」
マンションに入ろうとすると帰ったはずの笠松先輩が再び戻ってきた。
「……花宮のこととか…他のことでも悩んでるなら…頼れよ?
迷惑なんて思ってねえし…何より守るって約束しただろ…」
「…………」
「あ…あれだ…あんな野郎のことで悩むなら…」
笠松先輩は、私が花宮のことで落ち込んでいると思い引き返して元気づけてくれた。私は笠松先輩が元気付けてくれているのを黙って聞いていて、ほんとに良い先輩で私は海常高校にきてよかったと心底思える。
「笠松先輩、ありがとうございます。
正直にいうと…少し落ち込んでましたけど…元気が出ました。
じゃあ、1人で歩くのはまだちょっと控えたいので今度部活が休みの日に付き合ってもらえませんか?」
「…ッ…!なッ…!ッ…え!」
「あ……だ…ダメなら…大丈夫…」
「…いや…わ、わかった……確か次の日曜日ならッ…」
「…いいんですか…?…じゃあ約束です。」
私は笠松先輩にお礼を言い行きたい場所があるものの1人で外出することを最近控えていて思い切って笠松先輩へ告げると急に顔を真っ赤にして口ごもってしまった。
部活が休みでも笠松先輩なら自主練とかしているだろうし、予定が入ってたのかと思い慌ててキャンセルしようとすると笠松先輩はそっぽを向いて日曜日に出かけるを約束してもらった。
笠松先輩はそのまま後ろ手で「じゃあな」と振り帰っていった。