第58章 初恋の再会
笠松side
「母さんと聖知、部屋で何やってんだ…?」
「絶対入ったらダメって言ってたよ!」
「内緒って言ってた…」
寝室に籠ってしまった2人に俺は弟たちと月バスを読みながら待っていた。身支度を整え部屋から出てこないまま1時間経過するとようやく部屋から母さんが出てきた。
「お・ま・た・せ♡」
「何やってたんだよ。」
「うふふ♡昨日のワンピースと聖知ちゃんのドレスアップをやってみたの♡きっと幸男もメロメロになるくらいの可愛さなんだから♡」
「……っ…聖知は…ど…どこなんだよっ…」
思わず母さんの言葉に期待に想像が膨らむ。出てきたのは母さんだけで聖知の姿がない。すぐに母さんも気づいたようでそそくさに寝室へと向かう。
「聖知ちゃん?何やってるの?」
「いえ…あの…やっぱり…」
「ほら…恥ずかしがってないで!」
「ちょっ…ちょっと待っ…」
聖知の手を母さんが引っ張り、寝室から無理矢理出そうとしているがなかな出てこない。中々出てこない2人に痺れが切れて本を閉じると母さんが強く手を引っ張ったと同時に聖知の姿が見えた。
思わず持ってた月バスを落としちまった…
ワンピース姿も似合っていたがいつもの長い髪は片サイドに三つ編みをして白いレースのリボンで飾られている。
母さんと同じ台詞を言う訳じゃねえが…本当に聖知に似合っていて時が止まったかのように感じ照れているのか頬を赤く染めてる聖知をしばらくじっと見つめていた。