第58章 初恋の再会
翌朝
「…ふう……あいつらそろそろ起こさねえとな…」
早朝に目が覚めた笠松は日課の自主練へと出掛けて帰ってきた。母からは今日から泊まりで友人の家に泊まりに行くと聞いていたため、早めに支度をさせようと自室へと戻る。
「……?」
しかし、部屋には2人の弟の姿はなくもぬけの殻。まだ温もりが残っているのを確認所するとトイレにでも行ったのだと思い再び1階へと降りる。
「あいつら…どこ行ったんだ?」
トイレにもいないのを確認すると、リビングに行くがやはり姿がない。ふと笠松は弟たちがいつも寝ている寝室の扉が開いているのを見て、ふと中を覗き込んで絶句した。
「っ…なっ…何やってんだっ…!!」
弟2人が聖知と一緒に寝ているのを見て朝6時にも関わらず、笠松の大声が室内に響き渡る。聖知を真ん中に前と背中に弟2人がしがみついて笠松の大声に反応することなく規則正しい寝息をたて起きずに眠っている。
「おいっ…起きろっ!」
「何よ……朝っぱらから…まだ朝の6時じゃない…」
「なんで聖知と幸也たちが一緒に寝てるんだよっ…!」
「……あぁ…たしか…早く目が覚めちゃたみたいでお姉ちゃんと寝るーって…部屋に来たわよ。」
「来たわよっ…じゃねえよっ…なんで止めねえんだよっ…!」
笠松の大声に聖知たちの隣で眠っていた母が目を摩りながら欠伸をして目を覚ます。
隣で眠っている聖知たちを見ると、ぼんやりと早朝の出来事を朧げに思い出したように話すと笠松はますます大声を張り上げる。