第58章 初恋の再会

「もう…子供なんだから別にいいでしょ？全く…自分が聖知ちゃんと寝たいからって…嫉妬するんじゃないの。」

「そっ…そんなんじゃねえっ…！」


笠松の母は自身の息子が嫉妬している様を見ると、ため息をついて起き上がり、隣で眠っている聖知たちの布団をかけ直す。



「…兄ちゃん…？」

「もう起きる時間…？」


「ほら…幸男がうるさいから起きちゃったじゃない。」

「っ…と…とにかく…2人ともっ…ね…寝るなら俺の部屋で寝ろよっ…」


笠松の声に弟2人も目を覚まし、眠たい目を擦りながらベッドから起き上がる。母親からのジトッとした冷たい視線に笠松は顔を逸らしながら弟2人を聖知から離そうと試みる。


「イヤっ！お姉ちゃんと寝るっ…」

「僕もっ…お姉ちゃん起きるまで一緒がいいっ…」

「お前らなっ…ベタベタ甘えてんじゃねえっ…」


「ちょっと…聖知ちゃんまで起きちゃうでしょ！」


笠松の言葉に弟2人は甘えるように聖知のナイトドレスにしがみついて離れようとしない。特に弟の幸也は聖知の胸元に顔を埋め離れようとしない姿を見て笠松も無理に離そうと試みる。


「んっ……」

「っ………」


母の言葉に笠松は聖知をすぐに見ると、眠っている聖知の瞼がピクピクと動き、少し声を漏らしおきそうになるが再びすぐに規則正しい眠りに変わる。

この状況に気が気じゃない笠松は聖知に今すぐ起きて欲しかったが無理に起こしたくもなく寝ている姿に安堵する。

改めて聖知の寝顔をマジマジと見てしまい、睫毛が思ったよりも長かったりピンク色に染まっている頬や唇へと視線を移すと昨夜キスしたこと思い出しすぐに顔がカアッと赤くなる。