第13章 ライバル
「ッ……」
「その制服海常だな。なるほど。笠松のとこに入ったってとこか。」
「………」
「おい。無視してんじゃねえよ。」
花宮真。
相手も制服姿で私を品定めをするように見てくる。
相手にしない方がいいと思い無視をすると包帯を巻いている手首を掴まれた。
「離してッ」
「なんだ…怪我してんのか?痛そうだな…可哀想に…」
「ぃッ…ッ」
腫れている手首を掴まれて痛みが走ると花宮はニヤつくと手首を握る力を強めてさらに痛みを与えてきてくる。
「せっかく会ったんだ。遊んでやるから来い。」
「ッ…嫌ッ!」
「抵抗するなら…」
「ッ…痛ッ…いッ…離してッ」
花宮は私が痛そうにすると満足そうな表情を浮かべ私の手首を掴みその場所から離れようとする。
私が抵抗するとさっきよりも強い力で手首を握り引っ張られるように歩き出す。
私は、廃ホテルに閉じ飲められた事を思い出し身体が震えた。
もうあんな思いはしたくないッ…
「ッ…テメェ…」
「ッ…いッ…離してッ!」
「いい度胸してるな…そんなにめちゃくちゃにされたいならお望み通りにしてやるよ」
私は痛みに我慢してカバンを振り上げて花宮の手に当て手を離させ笠松先輩のいるコンビニへ戻ろうとすると花宮はすぐに私の髪を掴み捕えて私の顎を掴みニヤつくと顔を近づけてくる。
もうダメだと思った時…
「おい、その手を離せ。」
笠松先輩が花宮が私の髪を掴んでいる手を握り無理矢理離させて私を抱き寄せ自分の背中に隠すように私を助けてくれた。