第13章 ライバル
ーー笠松視点ーー
黄瀬が帰ると俺と水瀬は部室に戻り手首に湿布を巻いて簡単に包帯を巻いた。
帰り道
ふと、怪我した手首を見て花宮のことを思い出しそれとなく水瀬に聞いてみた。
「だ…大丈夫です。」
花宮の名前を出すと明らかに怯えていた。
大丈夫と口には出していたが震えているのが見てわかる。
俺も何聞いてんだ…くそッ…
俺は水瀬を元気づけようと手を引き桜が満開の場所へ連れてきた。
「すごく綺麗ですね。」
今しか見れねえ景色にすごく喜んで見ている。
「とても綺麗…」
ふと月明かりに照らされた水瀬に見惚れてしまい顔に熱が集まる感覚になった。
ッ…やべぇ…見惚れちまった。
俺は顔を隠すようにそっぽを向き駅へ戻る時も顔が赤らんで水瀬をまともに見れなかった。
くそッ…なんで俺はこうも…ッ////
ちらっと見ると目線があい不思議そうに俺を見ていた。
とにかくこの気持ちを抑えるためコンビニへ逃げることにした。
まさか…このたった数分で…俺の不注意で
あんな目に合わせるとは知らずに…