第57章 温もり
「……わぁ…可愛い…」
恥ずかしさを洗い流すようにお風呂から上がり、るみさんからもらった寝着を広げると淡いエメラルドグリーン色のと白いフリルがあしらわれているネグリジェだった。
着るのが勿体無いくらいのデザインに下着も同じ色で統一されており、自分に似合うか分からず着てみたものはいいものの…中々恥ずかしくて出れずにいた。
「……っ…ゆ…幸男さんっ…!」
「っ…お…おう……っ…お…遅かったな…」
私は扉をそっと開くと幸男さんがドアの近くで待っていた事に驚く。幸男さんは照れたように顔が赤く私のネグリジェ姿をじっと見つめる。
『やっぱり似合ってないのかな』と恥ずかしくなりそっと呟くように言葉を漏らした。
「あの…変…ですか…?この格好…」
「っ……いや……に…似合ってる…ぞ…」
「ほ…本当ですか?」
「う…嘘言う訳ねえだろっ……か…かわっ…」
幸男さんの言葉に自然とますます頬が熱くなり、幸男さんも照れくさそうに視線を逸らし顔が赤いのが伺える。幸男さんはチラッと私を見ると、向き直り何か言葉を発しようとした時、るみさんの声でかき消される。
「そこは可愛いって言うのが当たり前でしょ?」
「っ…!!」
「やっぱり私が思った通り、聖知ちゃんは淡い色合いが似合うと思ったの♡すごく可愛い!」
「そ…そうですか…?」
幸男さんが言いかけた言葉が気になったけど、るみさんにも、似合っていると言われて恥ずかしくなる。るみさんは、目をキラキラさせて嬉しそうにはしゃいでいて幸男さんは何故かそっぽを向いてしまった。