第13章 ライバル
「涼太?先に帰ったんじゃないの?」
「待ってたっすよ?帰るっすよ。1人じゃ危ないから。」
涼太は私の手首を掴み歩きだそうとした。
「ちょッ…ちょっと…離して。」
「いいから。ちょっと聖知っちに聞きたいことがあるから早く行くっすよ。」
「いッ…痛い…涼太、手を離して!」
涼太は何か私に対して怒っているようで私が嫌がるとさらに拗ねたように手首を握る力を強めて私は痛みで悲痛な表情を浮かべた。
「黄瀬。手を離せ。」
「笠松先輩には関係ないっすよ。」
「いいから離せって言ってんだよ!」
笠松先輩は涼太の手を無理やり離させ私の手首はやっと解放されて手首は強く掴まれたせいで赤くなってしまっていた。
「ぁ……」
「熱が少しもっているな。部室に湿布があるから戻るぞ。」
「だ、大丈夫です。これくらいすぐに…」
「後で内出血とかする場合もあるだろ。黄瀬。水瀬は俺が送るから、今日は帰れ。」
「……聖知っち……ごめん……」
涼太は私の赤くなった手首を見て自分がしたことに我に返り私を見て謝ってそのまま帰っていった。