• テキストサイズ

【黒バス】何度でも貴方に恋をする R18

第56章 真実




「おやおや…目的も果たさず逃げ帰るとは…
 …お知りにならなくて良いのですか?」



桐生の言葉に笠松の足が止まる。

答えなんて分かりきっている。
聖知に対する扱いを見れば明白でこれ以上話をしても聖知が傷つくことになる…笠松は頭でそう考えていた。





「聖知…俺は…今すぐここから出ていきたい。
 この場所にいても、聖知が傷つくだけだ。
 …話…まだ聞く必要あるか?」



「…………一つだけ…
 一つだけ聞いて…決めてもいいですか?」



聖知の手を繋いでいる手に自然と力がこもる。
ここから早く出ていきたい…笠松は自身の気持ちよりも、聖知の気持ちを優先してなるべく優しく寄り添うように聞いた。

聖知は笠松の優しい気持ちに嬉しくなり…桐生の方に向き直る。






「貴方は……私の敵なの…
 それとも……味方なの…」




「……………」
 





再びホールに静寂が訪れる。
聖知は桐生を真剣な表情で見つめ返答を待っていると、先に沈黙を破ったのは桐生の方だった。







「私は最初からお嬢様の味方です…っと言えば…
 信じてもらえますか?」




桐生はクスッと笑み、今まで見たことないくらい優しい表情を浮かべ聖知に近づいて跪く。


本心なのか…騙そうとしてるのか…
わからない……


2人は桐生の話を聞くため、応接室へと移動した。


/ 793ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp