第12章 海常高校バスケ部
ーー放課後ーー
「聖知っち、帰るっすよ?」
「私、ちょっと用事あるから先帰ってていいよ?」
「用事って?」
「明日から部活始まるから部室とか必要な備品とか教わるために少しね?」
「そうっすか… なら俺は先に帰るっすよ。」
私が一緒に帰れないことがわかると涼太は拗ねたように教室を出ていった。
なんか涼太不機嫌だな…変なの…
私は気にすることなく約束した体育館へと向かった。
その様子を涼太が見てるとは知らずに…
ーー放課後 体育館前ーー
「笠松先輩、お待たせしました。」
「お、おう。俺もさっき来たばかりだ。ちょっと待っ…っ…」
体育館前に着くと笠松先輩が既に居て私に気づくと慌てたようにポケットから鍵束を取り出し体育館を開けようとするも鍵束を落としてしまっていた。
「はい。先輩。」
「っ…お…おう…」
落ちた鍵束を先輩に渡すと顔を背けて鍵を受け取り体育館を開けてくれた。
「ま、まずはこっちだ。」
靴を脱いで体育館へ入ると備品の場所や道具位置、また部室に移動して更衣室や部誌などマネージャー業務に必要なことを一通り説明してもらった。
「ありがとうございます。明日から頑張りますね。」
「大したことじゃねえよ。そういえば1つ聞いていいか?」
「なんですか??」
「なんで水瀬は海常を選んだんだ?」
「それは……///」
一息ついて笠松先輩と部室にあったお茶を飲んで話していると海常にきた理由について聞かれた。
私が海常を選んだ理由は……
ーー回想シーンーー
「私ね…その学校に尊敬してる人がいるの。その人誰よりも人一倍責任感のある人でバスケに真剣に打ち込んでいるのが…」
ーー回想シーン終了ーー
っ……本人を前にして言えるわけないっ……
私は自然と顔が赤くなっているのを感じ何も答えずにいた。