第55章 証し
「っ…お…おうっ…///
さ…サンキュー…」
「そういえば…家に行くのは3回目ですね。
何度もあの家に行くことになるなんて…
思っても見ませんでした。」
「そ…そうだな…///」
笠松はさっきのメールの内容から照れくさい気持ちになり、聖知を意識して触れたくて内心葛藤していた。
こんないちゃついてる場合じゃないとわかってはいても、如月家に向かう途中は人通りも少なかったため欲求が抑えられず聖知の肩を抱く。
「っ…!
ゅ…幸男さん…///」
「っ…誰もいねえし…///
…嫌…か…?」
「っ…///」
より密着して笠松との距離が近くなり、自然と聖知は恥ずかしくなり赤らめる。ゆっくり首を横に振るとギュッと笠松の制服を掴み如月家まで歩いていく。
「はぁ……やれやれ……
結局…イチャイチャしながら来るようですね。」
如月家の執事室
いつもの教師の姿とは異なり、黒い燕尾服姿で怪訝な面持ちでPCを見つめながら桐生はため息をつく。
どこかで監視しているのか、PCに笠松と聖知が歩いている姿が映し出されており、確認するとPCの電源を切る。
「さて……おもてなしを始めましょうか。
準備はいいですね?」
執事室から部屋を出て桐生はほくそ笑む。
自身の後ろで控えている複数人の部下に合図をすると、まるで忍びのように一瞬で姿を消す。