第12章 海常高校バスケ部
ーー体育館ーー
体育館へ着くと先輩や新入部員がたくさんいて順番に自己紹介をすることになった。
「帝光中出身 水瀬聖知です。マネージャーとしてサポートできるよう頑張ります。よろしくお願い致します。」
最初に自己紹介が回ってきてにっこり微笑みながら話すととなぜかしばらく全員沈黙していた。
「つ…っ…次…」
進行を進めてる先輩の顔が赤らんでいる。
何かまずいこと話してないか不安になったが全員の自己紹介が行われ黄瀬の番になった。
「1年黄瀬涼太。帝光中出身。趣味はバスケ。特技はカラオケ。あ…逆だった。ポジションはどこでもok。モデルの仕事があるんであんま練習でないかもだけど…それと…聖知っちは俺のっすから手ださッ!痛ッ!」
相変わらずふざけた自己紹介でさらには私の肩に手を回して自己紹介とは関係なく私のことまで話しかけたので言い終わる前に涼太の手をつねり頭を叩いた。
「うるせーよ!聞いたのは名前・中学・ポジションだけだ!聞いたことだけハキハキ答えろや!チャラ僧が!」
案の定笠松先輩に蹴られて言い合いになり涼太も負けじと答えた。
「一、二年早く生まれただけでそんな偉いッスか?バスケもたぶん、オレの方がうまいスけど?」
「ッ…」
涼太は中学の時から何も変わっていない。
私は涼太を注意しようと言葉を発しようとした時。
「偉ーよ」
「上手い下手の前に、ここは海常高校バスケットボール部だ。ここにいる二、三年はみんなお前より長くこのチームで努力し貢献してきた。そのことに対する敬意を持てっつってんだ。キセキの世代だろーがなんだろーがカンケーねんだよ。お前はもう海常一年黄瀬涼太。そんでオレは海常の三年主将笠松幸男だ。」
「なんか文句あんのか」
涼太はそれ以上言い返すことはなく今日は自己紹介で終わり明日から本格的な練習が開かれることになった。