第55章 証し
「…そうか…
確かに変だな…
理由はわかんねえけど…
何か、隠してるってことは間違いねえな…」
「そうですね。
それが…何かはわからないんですけど…
幸男さんと一緒じゃないと…
ダメってどういうことなのか…
わからなくて……」
不可解な気持ちを抱えたまま聖知は部活へと急ぎ、帰り道に放課後桐生と話をした事を笠松に全て話をした。
聖知の中で疑問に思っていること
桐生が味方なんじゃないかと思っていること
なぜ付き合っていることを隠しているのか
「よくわかんねえけど…
俺は、話をした結果…
敵でも味方でもやることは変わらねえ…
聖知は俺が守る。
だから…そんな…心配そうな顔すんな…」
「っ…//
ぁ…ありがとうございます…」
「確か…明日から、学力テストの1週間前だから…
部活も休みだし…納得いくまで話できるだろ…
その結果によってまた今後どうするか……
聖知……?」
聖知の不安を浮かべた表情を汲み取るように、笠松は繋いでいる手をギュッと握り締める。
何度も言われたことがあるはずなのに、改めて『守る』と言われると恥ずかしさや嬉しさの気持ちから聖知は頬を赤く染める。
まるで自分のことのように、真剣に真面目に考えてくれる笠松の姿に聖知は感謝しても仕切れないくらいの気持ちが込み上げ…歩みを止め恥ずかしそうに言葉を続ける。