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【黒バス】何度でも貴方に恋をする R18

第55章 証し




「お嬢様は、本当に馬鹿がつくくらい…
 騙されやすいというか…いえ…
 世間知らずですね…」


「……どういうこと…?」


「1度優しくされただけで…私を信じるのですか?
 簡単に人を信じるとロクなことがありませんよ。
 いくら性格の悪い私でも…
 怪我をして、心を痛めているお嬢様に…
 冷たい言葉なんて言えません。」


「じゃあ、笠松先輩との事を黙っているのはどうして?」


「…………」


桐生は手をパンパンと埃を払うように、呆れたように私を見ると小さな子供を諭すように話を進める。

その態度だけ見ると、私を馬鹿にしている様子に感じられていても、笠松先輩の話になると黙ったまま何も答えない。





なんで笠松先輩の話になると何も答えてくれないの?



一体、何を隠しているの…



私は桐生の態度を見て、自分の違和感は当たっていたと察し、もう一度話そうとすると、桐生はため息をつき、再び眼鏡をかけると屋上から出て行こうする。




「ちょっと、待って!
 まだ話は……」


「話の続きがしたければ…
 笠松様を連れてきてください。
 その時にお話しましょう。
 そうですね…明日の夜、如月家に来て下さい。
 では。」


桐生は背を向けたまま自分の言いたいことだけ言うと、屋上から出ていく。


バタンと閉まる音だけが屋上に鳴り響き1人桐生の見たことのない態度に私は困惑した。

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