第54章 協力者
「大体笠松…
お前は女性への接し方がわかっていない。
ちゃんと聖知ちゃんに…
毎日、愛は囁いてるのか?」
「なっ……っ…おい…やめろよっ…!」
「いいや、やめないぞ!
いいか…笠松…
愛を囁くときは…」
「う…うるせえっ!
余計なお世話だっ…」
「いいや、今回は引き下がらないぞ!
俺が書き溜めた女性のときめくセリフ集を読んで…
実践するんだ!」
笠松は森山の言葉に照れくささから聖知の前で言葉を濁す。
暴走した森山は止まるはずもなく、言葉を続け…『女性のときめくセリフ集』と書かれている分厚いノートを笠松に押し付ける。
「いらねえよっ…!
こんなのなくても俺はっ…!」
「ふっ…っ……ふふっ…もう限界っ…」
「っ…!」
その様子を見て聖知は堪えきれず吹き出すように笑い出す。
赤司の件から初めて心から屈託なく笑っている笑顔に笠松と森山は自然と顔が赤くなり笑っている聖知をよそにしばらく見惚れていた。