第54章 協力者
「はい、わかりました。
それでは失礼しま…」
「っえ…ちょっ…!」
聖知はお辞儀をして近くのドアから体育館を出ようして扉を開くと黄瀬がその場につまづく。
「……涼太…?」
「黄瀬っ…お前、こんなとこで何やってんだ…」
「え…い…いや…っ…
お…俺だけじゃねえっスよ…?
……って…あれ……?」
「黄瀬……遊んでる暇があるのか…?
……ちょうどいい…
お前のために模擬テストを作ったんだ。
…あと30分あるな…
どこまで理解してるか…
部室で抜き打ちテストをするぞ。」
黄瀬は慌てて弁解しようとして後ろを振り向いても、笠松は森山の姿はなく…
そんな黄瀬を監督は苦い表情で見ると、ふと思い出したように少し考え黄瀬を部室へ連れていこいうとする。
「Σっ…い…いいっスよっ!
テストなら聖知っちに作ってもらうっスから…」
「何を言ってるんだ…
水瀬だってお前ばかりに構ってられないだろ。」
「聖知っち…!」
「水瀬、悪いが、体育館の戸締りだけ頼む。」
黄瀬は冷汗をかきながら何とか回避しようと思っても…強制的に連れていかれ監督に鍵だけ渡される。
「テスト、頑張ってね?」
黄瀬の最後の助けを乞う声も聖知は手を振って見守り、体育館を出ると戸締りをする。