第54章 協力者
「っ……涼太…」
「今…どう思った?
聖知っち…」
「…は?」
「離れたってことは…俺のこと…
意識してくれたってことっすよね…」
私は慌てて離れると大人びた余裕を浮かべた表情で涼太は不敵に笑む。
涼太のこんな表情は初めてで…
私は戸惑っていた…
でも…好きだからって…
何をしてもいいわけじゃない…
「っ……何言ってんの?」
「とりあえず今は…俺のこと…
異性としてみてくれたら…
それで十分っすよ。」
「…涼太…
今度勝手に私の身体に触ったらセクハラで言うから…」
「笠松先輩にっすか?
別にいいっすよ…」
幸男さんが相手でも涼太は余裕の笑みを浮かべている。
反省する様子はなく…
セクハラめいた事をこれからもするつもりなら…私にも考えがある。
「笠松先輩にも言うけど…
お父さんにも言うから、」
「Σっ…!!
ちょ…!?
な…なんで…聖知っちのパパにっ…
それは…流石に反則っすよ…聖知っち…」
「じゃあさっきみたいなことしないで…
約束してくれないなら…
勉強もう教えない…笠松先輩にも伝えて…
監督にスパルタ教育頼んで部活後に毎日補習してもらって…」
「わっ…わかったっすよ!
もうしないっすっ!
どんな地獄絵図なんすか…」
本当はこんな手段取りたくなかったけど…
涼太は慌てたように席から立ち上がり弁解する様子にため息をつき私は再び席へと座る。
「ほら…教科書開いて……勉強するんでしょ?」
「聖知っち…
俺…勉強も聖知のことも頑張るっす。」
私は立ち上がったまま座らない涼太を見上げて…席に座るよう伝える。
涼太は席につくと、私の手に触れようとして咄嗟に避けて涼太を睨むと「冗談っすよ」と苦笑いを浮かべ教科書を開いた。