第54章 協力者
俺は朝練が終えると…笠松先輩と話をしていた聖知っちに声をかけ…一緒に教室に向かった。
赤司っちの話ではなく昨夜のモデルの仕事の話をしたり、朝見かけた野鳥の写真を見せたりした。
一瞬、キョトンとした表情を浮かべていたが…楽しそうに笑顔で話を聞いてくれる聖知っちに嬉しくなり…心の中で誓った。
俺は俺のやり方で聖知っちを振り向かせる…
笠松先輩には負けないっすよ
俺は聖知っちに笑いかけながら後ろから様子を見ている笠松先輩と目が合い不敵に笑みわざとらしく「やっば…予鈴あと3分で鳴るっすよ!」と聖知っちの手を引っ張り走っていく。
「っ…あいつ……いい度胸してんじゃねえか…」
「…3年と1年の校舎逆方向だからな…
同じクラスだし…悔しいが…2人が並ぶと
美男美女カップルって感じだな…」
「Σっ…うっせえ!
全然見えねえよっ…!
昼休みぜってえシバく!」
その様子を見ていた笠松は黄瀬の行動にイライラし、嫉妬心で頭に血を昇らせていた。
学年が違うとわかってはいても…予鈴はまだ鳴る筈もなく、黄瀬にまるで「聖知を奪う」と宣戦布告されたかのように感じイラつきながら笠松は自分のクラスへと向かった。