第54章 協力者
次の日––––
朝練の合間の休憩に黄瀬は聖知に近づく。
聖知の体調を心配していたのも事実だったが…
黄瀬は聖知と赤司の関係性について聞きたくて話しかけた。
「聖知っち……
昨日…体調悪いって言ってたっすけど…
大丈夫っすか?」
「……っ…う…うん…
大丈夫…心配かけてごめんね…」
「…聖知っち…俺…
赤司っちの事で…聞きたい事…」
「っ…!
…っ…ごめん……洗濯しないといけないからっ…」
「聖知っち…!……ちょ…待っ……」
赤司からは何も教えてもらえず…
赤司と笠松のコート上での会話と聖知を洛山へ転入させる話に…赤司と聖知は特別な関係なのではないかと黄瀬は悟っていた。
聖知も、笠松から体育館で起きたことを聞いていたため。赤司に関することで黄瀬に何か聞かれるのではないかと思い…
赤司の名前が出ると…黄瀬と目を合わさず…逃げるようにタオルの洗濯をしに体育館から出ていく。
「黄瀬…ちょっと来い。」
「………何すか…」
笠松は一部始終を見ていて、黄瀬を体育館から出ていき少し離れた脇道へと連れて行くと向き直る。