第54章 協力者
「幸男さん……
今日だけ……我儘言ってもいいですか…」
「…どうした…?」
「眠れるまで…抱きしめて…ほしいです…」
「……聖知…
さっきの夢の事でなんか悩んでんのか?」
「……怖いんです…眠るのが……
また……同じ夢だったらと思うと……」
聖知の震える声に俺は落ち着かせようと背中をさすり様子を見る。
聖知は夢の内容に囚われて恐怖の気持ちでいっぱいで余裕がないように感じた。
俺は、聖知をベッドに座らせ…唇を重ね口付ける。
「っ……!」
「聖知……
大丈夫だ…ずっと側にいる。
そんなの我儘のうちに入らねえよ…
寂しい時、辛い時…いつでも言え…
俺が聖知を支える…
赤司には絶対渡さねえ…」
「っ…幸男さん……」
俺は唇をすぐに離すと…聖知を抱きしめる。
強い力じゃなく、自分の胸の中におさめるように抱き寄せ…聖知の髪を撫でながら話すと俺に甘えるように抱きついている聖知に愛しさを感じ自然と笑みが溢れる。
「聖知……電気消すぞ。」
「はい…」
夕食を済ませると寝るために灯りを消し…ベッドに入る。
「聖知…ほら…来いよ…」
「っ…///」
聖知を抱き寄せると緊張しているようで身体をこわばらせていたが、俺に恥ずかしそうに抱きつく。
「おやすみなさい…」と聖知の小声が聞こえると、手を絡ませて繋ぎゆっくりと目を閉じる。