第54章 協力者
「……っ…悪い…聖知
…なんか、母さん…
暴走すると周りが見えなくなるんだ。」
「そんな…とても優しくて…
自分の仕事に誇りを持っていて、尊敬します。」
「……ありがとな。」
俺は聖知から事情を聞くと、「またか…」と内心思い聖知がどう思っているか心配だったが杞憂に変わる。
素直に自分の母親を褒められると照れ臭くなり…お礼を伝えるとなぜか聖知は自分のカバンから違うパジャマを取り出している。
「じゃあ…私…着替えてきますので…」
「Σっ…え…ちょ…何でだよっ…!」
「……この服のままだと…
幸男さんがまた鼻血出してしまいそうで…
それに少し…胸元が開いて……恥ずかしくて…」
「だっ…出さねえっ…!
そんなに出るわけねえだろっ…
それに…に…似合ってんだから…着替えること…
ねえだろ……///」
俺はつい慌てて聖知の手を掴み引き止める。
まだ…そんなにマジマジ見てねえのに…
つーか…可愛い…///
俺は鼻血も止まり起き上がると…聖知をギュッと抱きしめる。ナイトドレスは思ったよりも生地が薄くて聖知の温かい体温を感じシャンプーのいい香りがしてずっと抱きしめたい気持ちになるが…
聖知は、お風呂から上がってきてから…
明らかに元気がなかった…
母さんの話をしている時も…
俺が鼻血を出してしまった時も…
今、抱きしめている時も…
いつもと違い、ぎこちなく笑う姿に無理してるのがわかった。
そう思っていると聖知は俺にギュッとしがみつき俺の胸の中で顔を埋めてゆっくり話始める。