第54章 協力者
「不意打ち…?
この服のことですか…?
この服…るみさんからいただいたんです。」
「か…母さんからっ…!?」
「ご飯一緒に食べた時に、片付けをしていたら…」
鼻血が止まったことで聖知はホッとすると、不意打ちの意味がわからず、いつもと違うこと…と頭を思い巡らせる。
笠松の母からもらった服を着ていることだと思い、もらった経緯について話始める。
–––笠松家 夕食後
回想–––
「聖知ちゃん、
片付けまで手伝ってくれてありがとね。」
「いえ…そんな…ご馳走になったんですから…
当然のことです。」
「当然のこと……
そ…そうよね!
……近い未来…一緒の台所に立つんだもの…」
晩御飯後の後片付けをしてお皿を拭いたり片付けたりしてると、聖知の言葉に笠松の母は嬉しそうにホワホワした気持ちで聖知の両手を握る。
「……?」
「あっ!
そうだわ…ちょっと待ってて!」
言葉の意味が聖知はわからずにいると、笠松の母親は台所を飛び出し自分の部屋へと駆け込むと紙袋を持って再び戻ってくる。