第54章 協力者
「聖知……大丈夫だ。
俺は絶対に赤司に渡さない……
聖知の事は俺が守る。
今日は色んな事あったし…
今はゆっくり休め…」
「………はい……」
笠松は抱きしめたまま聖知に優しく諭すようように伝える。
早急に赤司の件についての対策は必要だったが……今は何よりも…聖知を休ませてあげたい…
考える時間は必要だが…今の聖知には心に余裕がないのが俺から見て取れるようにわかる。
聖知が少しでも元気になって…気持ちに余裕ができたら…今後について考えたい。
聖知がどうしたら自由に生きられるのか
制約に縛られる生活から解放してやりたい。
やりたいことをもっと自由にできれるように…
俺は聖知が落ち着いてから風呂に入るよう勧めて、聖知がいない間これからのことを考えた。
まずは、赤司との婚約話を破棄することだな……
元々結婚話自体は澄香さんも瑛一さんも反対していた。聖知自身も澄香さんが破棄してくれると約束してくれたと言っている。
破棄の話自体に心配はないが……
俺には赤司の素性、性格、聖知への狂気性を目の当たりして…破棄するだけではすんなり進む話ではないと感じた。