第54章 協力者
「んっ………」
目を開くとそこは真っ暗だった。
「幸男…さん……?」
私は…笠松先輩の家にいたはず…
辺りを見渡しても真っ暗で何も見えない。
手探りで歩き出すと誰かに手を掴まれる。
何も見えなかったのになぜかその人の顔だけははっきりわかった。
お祖母様だった
「よくも…っ…
この私に…恥をかかせたわねっ…!
貴女は…すぐにでも赤司家へ嫁がせます。
もう16だもの…結婚するのに…
早いに越したことはないでしょ?」
「っ……!
いやっ…離しっ…
っ………」
ギリギリと骨がしなるぐらい強く掴まれて床に乱暴に放られる。そんな私の前にもう1人誰かが私を見下ろしていた。
赤司君だった
「紅羽様…あとはお任せください。
聖知の事は僕が必ず幸せにします。」
そう言う赤司君の手には手錠が握られていて…急いで逃げようとしても身体が鉛のように重く赤司君に首を掴まれて床に押し付けられる。
ガチャリと音がすると私の両手には手錠がつけられていた…
だんだん暗かった空間が明るくなり……
視界が晴れるとそこは……
私がかつてアメリカで幽閉されていた部屋だった。
「聖知はただ…僕の側で笑っていればいい…
君がすべきことは僕を愛すること…
それだけだ。」
「いや……っ……
っ…いやだっ……っ…」
私を支配するのがお祖母様から赤司君に変わった…
私の頭は恐ろしく冷静で、理解はできても…力が入らない……
私はそのまま髪を掴まれ…引きずられるように部屋に連れて行かれ再び闇に呑まれていった…