第53章 警告※
–––同日 17時
–––新幹線内
「赤司、例の水瀬さんの勧誘の件ははどうなった?」
「…やはり…
考える時間が少し欲しい…という結論でした。
無理もありません。
僕もすぐに返事は貰えるとは思ってません。
後日返事を聞くことになりました。」
許さない……
僕から離れるなんて…決して許さない…
やっと僕の物になったと思ったら…
彼女は他の男を愛していた……
監督には冷静に穏やかに話を進めている反面僕の心の中にドス黒い感情が渦巻いていた。
前まではあんな聖知ではなかった。
僕に反抗する聖知は認めない。
僕を愛さない聖知を許さない。
「返事はいつになりそうだ?」
「1ヶ月後です。
一昨日に交流会があると担任から話があり…
彼女にはその場で返事を聞こうと思っています。」
「他校生との交流会か……しかしあれは…
学年上位2名が出席対象のはず…彼女は…」
「選ばれます。
僕には未来がわかる…
彼女は必ず洛山に入れます。」
交流会…
テストの成績上位2名のみが各学校の1.2年生から選出され、他校生と情報交換、交流を深めるために毎年開催されている。
監督は赤司の自信のある態度に主将として頼もしいと思う反面、彼をここまで突き動かす水瀬聖知という生徒に興味を持った。
この件は赤司に委ねることにし…それ以上この件を聞くことはせず…夜のミーティングの話の打ち合わせを始める。