第53章 警告※
「っ……そうですか……
赤司君が……そんな……ことを…」
暗くなる前に山道を笠松先輩と一緒に下りるとすっかり夕日が沈み暗くなっていた。
帰り道、赤司君の話を笠松先輩から聞いて愕然とした。
とても信じられなくて…赤司君に嫌われているのではないか…とさえ思ってしまう。
「中学の時から…あんな感じだったのか?」
「…いえ…
確かに厳しい一面はありましたけど…
前は優しくて…仲間思いで責任感のある主将でした。
みんなの才能が開花するに従って……
赤司君も…まるで別人のようになっていきました。」
「…そうか……まぁ……
どんなワケがあっても…
人を傷つけていい理由にはならねえ。
だから…聖知は気にすんな。」
「…はい…」
笠松先輩は私が気にしないようにいつも気遣ってくれる。
笠松先輩だって…赤司君に色々言われて…
気にしているかもしれない…
私は…幸男さんのためには何ができるんだろう…
そんな気持ちのまま夜道を一緒に歩いていると私のマンション付近へと近づく。
「…幸男さん、ここで大丈夫です。
ありがとうござい…」
「待てよ。」
マンション近くまで着くと私は笠松先輩に向き直り繋いでいた手を離し一礼をして去ろうとすると腕を掴まれ引き止められる。