第53章 警告※
「っ……!」
「笠松っ!…何をしてるんだ?」
なんだっ……今のっ……
気がついたら…っ…倒れて……っ…
俺が呆然して地面に座り込んでいると監督が近くへやってくる。
赤司はそんな様子を見て俺の手を引き…立ち上がらせる。
耳元で言われた言葉に俺は青筋を立て赤司に対して怒りが込み上げる。
「どうやら…石につまずいて尻餅をつかれたようです。」
「そうか…急によろけるから驚いたぞ。」
「では、本日はありがとうございました…」
そう言うと、赤司は勝ち誇ったようにレギュラーメンバーと一緒に海常を去って行った。
「お前では聖知を助けられない」
俺の耳に貼り付いているテープのように赤司の言葉が木霊して脳にまで染み込んでくる。送り出しが終わり…部活はその場で解散…俺は保健室で休んでいる聖知の元へ向かった。
「笠松先輩……あれ…部活はどうしました?」
「あぁ…終わった…自由解散だ。
洛山相手だったからな…
明日昼に…ミーティングが行われることになった。」
「そうですか……」
聖知の顔の腫れは引いていて、思ったより大したことなくて安堵する。たが…聖知の表情は暗く沈みきっていた。