第53章 警告※
「では…次はIHで会おう。」
「もちろんだ。次もこちらが勝たせてもらうからな。」
監督同士が握手をして挨拶を交わす。
俺は、監督と他の部員には聖知は体調が悪くなって保健室で休んでいると伝えた。
それを聞くと、急いで向かおうとする森山や黄瀬をシバき洛山の送り出しに立ち会い…離れた場所にいる赤司の元へ近づく。
「何か用か?」
「俺はお前を絶対に許さねえ。
聖知は中学の時の仲間だったんだろ…
なんであんな酷いことができるんだっ…」
「酷い…?
中学での涼太のファンからの虐めに比べたら…
僕がやってることなど…優しいものだろ…
こんなことなら…もっと虐め抜いとくべきだったかな。」
「……何言って……」
「なんだ……知ってるとばかりと思ったが…
涼太のファンに聖知への虐めが酷くなるよう…
仕向けたのは僕だ。」
「お前っ…がっ…!!」
「人形みたいに感情面が乏しく扱いやすくてね…
なのに…聖知はお前のせいで可笑しくなった。
それが今回よくわかったよ。
最後にこれだけは忠告しておこう。」
俺は、赤司に詰め寄り衝撃的な事実に怒りを覚え殴りたい気持ちを懸命に抑え…聖知の怪我の具合を思い出す。
チームの主軸である主将が、陰で陰湿な事をしていたことに腹が立ち…赤司にだけは聖知を渡してはいけない…そう強く感じた。
聖知を助けた時尋常じゃないほど身体が震えていた。
咄嗟に膝を抱えて座り込み怯えている聖知を見た時…
…何かトラウマがあるんじゃないか……
そう感じた……
もうこれ以上…聖知に辛い思いはしてほしくない。
そんな俺を赤司は嘲笑うように俺を見上げる。
「僕のものに触れるならお前を殺す
頭が高いぞ」
「っ…!」
赤司から身の毛がよだつ殺気を身体全体に感じるとゆっくり肩を掴まれる。
気がついたら…俺は地面に座り込んでいた。