第53章 警告※
「赤司君が、練習試合に来たのは…
これが目的だったの?」
「聖知もわかってるはずだ。
僕は君の婚約者だ。
高校卒業後に正式な婚約発表…
大学卒業後に婚姻
それまでは僕だけのために力を注ぐ。
それが聖知の責務だろ。」
「…それは…お祖母様がそう決めて…
赤司君に私を洛山に転入させるよう話たの?
「……!」
私の嫌な予感は的中した。
赤司君は最初からそのつもりで来たんだ。
でも…そんな日程まで赤司君が決めれるわけはない。
お祖母様が……強く関わっている……
私はそう確信した。
私がお祖母様の話をすると赤司君の余裕たっぷりの表情がピクッと反応し一気に冷たい表情へと変わる。
「半分当たり、半分外れかな。
紅羽様は聖知を洛山に転入させようとした。
それを僕が止めた。僕に一任してもらうように。」
「…………」
「聖知……君は僕だけのものだ。
僕のものを他の男が気安く触れるのは我慢ならない。
明日付けで転入手続きを進めろ。
僕のためだけに尽くせ。」
赤司君に逆らう。
それはお祖母様に逆らうということ。
日本に来てから逆らわず…ずっと従順に振る舞ってきた。
笠松先輩に合わなければ…
私は今も従順にそうしていただろう。
でも…
それでは何も変えられない
「赤司君」
「なんだ」
「私は洛山に行きません
貴方と結婚するつもりもありません
私は海常で、笠松先輩の率いるチームで…
一緒に優勝を目指してそれをサポートしていきたい
私が…愛しているのは笠松先輩だけ…
貴方には一切恋愛感情はありません」
私は腹を括り意を決して、赤司君を見上げ、臆する事なく自分の想いを伝える。
きっと一筋縄ではいかない…
赤司君を納得させるには時間がかかる。
でも…私はもう逃げない。
もう…人形のように従うのは終わりって決めたから…