第53章 警告※
「聖知…
試合を見てどう思った?」
「…洛山は強い…そう思った。
1人1人の選手のスキルもそうだけど…
試合を通して今のままじゃダメだと感じた…
でも…試合を通してこれからやるべき課題とか…
問題点がわかったから…」
「努力すれば……勝てると…?
無意味だ。海常には僕は倒せない。」
「……赤司君…勝つことも私は大事だと思う…
でも…勝てればそれでいいってわけじゃないよ…」
赤司君は私の言葉を遮り冷たい目で否定するように告げられる。
赤司君は中学から変わっていない。
彼にとっては…勝つことが全て。
勝てれば…他の感情はいらない。
でも、私はそう思わない。
海常の笠松先輩が率いるチームを見てそう思った。
お互い信頼しあって…勝利するためにみんなが努力している。
笠松先輩が引っ張っていく海常のチームが大好きで私はこのチームでできることは何でもサポートしたい。
そんな気持ちを否定するように赤司君は私に告げる。
「無駄だ。
勝利以外無意味。
聖知…海常にいるのは無駄な努力の延長だ。
僕と一緒に洛山へ来い。」
その一部始終の会話を死角となる場所で聞いていた笠松は赤司の言動にただただ拳を握りしめ見守ることしかできなかった。