第10章 スカウト
ーーー駅のホーム 電車待ちーーー
「………」
笠松さん……あれから何も話さない……
「あの…今日は本当にありがとうございました…すいませんでした。巻き込んでしまって…こんな時間まで付き合わせてしまい…」
「……お礼か?謝ってんのか?時間なんて部活の時間と変わんねえんだから気にすんな。」
「は、はい…」
いざ2人になるとなんて話したらいいかわからない…
意を決して話しかけたのに笠松さんはいつも通りな感じみたい…
「水瀬」
「なんですか?」
「高校、海常に来いよ。」
「え?」
「前から思ってた。その…お前のバスケに対する姿勢とかマネージャーの資質を観察してて一緒にバスケをしたいと思った。それに…」
「笠松さん??」
「俺はお前を守りたい。これからもバスケを続けるなら花宮とは嫌でもいつかは試合で当たる。今日みたいなことが起きないように俺があいつから守ってやる。」
「……あ…ありがとうございます。あの…笠松さん…苦しいです。」
笠松さんからいきなりスカウトされた。
おまけにいきなり強く抱きしめられて私を守ると約束してくれて…
笠松さんの鼓動が早まってるのを聞いているなかふと安心感を覚えるも抱きしめる力が強くなり苦しくなってきた…
案の定笠松さんは顔を真っ赤にして慌てるように解放してくれた。